僕はただのbarのオーナーです
梓さんが手を振ってこっちに声をかけて来るのに反応して、俺らはそっちに向かった。
『あ、そうだ。
今度の命日にさ、墓参り付き合ってくれよな』
「…!?わかった。」
ずっと行けなかった墓参り。
母さんと父さんに顔向けできなかったから。
だってさ、人殺しなんだもん。
けど、ちゃんと会わなきゃ。
俺には守るべきものが沢山できたって伝えないとな。
『澪ー。』
舞台のとこに座って携帯で音楽を聴いてた澪に声をかけて、ふと顔をあげた澪にちゃんと言う。
『ありがとな!』
「ちゃんと強くなってましたね。」
ふわっと笑った澪。
大人で誰よりも先を歩いてるような澪だけど、今日は何故か年相応に見えた。