僕はただのbarのオーナーです
「族の時点で普通ではないと思うけど…」
「確かに!
千里の言う通りだなっ!」
千里は年下ですし、彼自身敬われるのが苦手なようで彼より年上の人間は皆呼び捨てで呼びます。
もちろん、彼より年下の人間はさん付けなのですが。
『そうそう、千里。
今日の仕入れなのですが、黒ではなくグレーですので、悪しからず。』
「…りょーかい」
仕入れとは裏での仕事のこと。
黒は雫石内では殺しで蒼炎では始末、グレーは情報屋の仕事と言う意味です。
一般の方に聞かれていたら面倒なことになりますのでこういう言い回しをします。
要さんに頼まれた仕事のうち、殺しの方は片付けたのですが情報がこのままでは間に合わないので、情報処理が出来る彼を駆り出すというわけです。
もし、姫さんが裏の人間なら間違いなく協力要請したのですが……
それだけ、彼の情報処理の力はすごいのです。