僕はただのbarのオーナーです
彩沙の言葉に淡々と返す。
何を言いたいのかとか、何が疑問なのか。
そんなのすぐにわかる。
けどさ。
俺は澪…黒羽の下で雫石さん…オーナーのお陰で生きてられてる。
だから、仲間だとしても簡単に情報を渡すわけにはいかない。
等価交換
なにかを得るためにはそれと同様の価値のあるものを差し出さなければならない。
俺ら殺し屋や始末屋、そして情報屋にとってはそれに見合う金額。
つまりは金だ。
「澪も翼も。
そして千里、お前も謎が多すぎる。」
『謎?』
「そ。私生活も交友関係も全部。
その三人が仲よかったらさ、怪しまない?
普通。」
交友関係も私生活も。
どっちも裏関係だからなぁ。
言えねぇってのが正しいんだけど。
つか、この会話。
多分だけど澪には聞かれてんだよな。
仕事を任されたときは、俺の知らないところで俺に気がつかれないように盗聴器が仕掛けられてるし。