曲げられない運命
20歳
愛のこんなにも退屈した日々を3年も送っていた。ある日のことだった。
愛は突然立ち上がり部屋を出た。
久しぶりに部屋から出たかもしれない…。
なんだろう、何かを感じる。
気がする________
三成様…
向こうから下を向いて歩いていたのは
三成様…
3年ぶりの再開なのに愛は声をかけなかった。かけることが出来なかった。
「あれ、豊姫…ちゃん?」
「三成様…」
私はそう呟いたあとハッとした。
「…私はお愛の者と申します。
それでは失礼します。」
愛は家康から「自分が元々秀吉の妹である」という事実は隠すように言われていたのであった。
すれ違いざまに愛は腕を掴まれた。
「待てよ。」
「お離しください。」
「豊姫だろ?」
「愛と申します。それでは。」
愛は冷たく言い放つしかなかった。
強く掴まれた三成の腕は離れ自由となった。
ごめんなさい。
愛は心の中で言って去った。