さすれば恋となる
緋衣呂君と付き合うことになってから10分早く学校へ行く。
待ち合わせてる訳じゃないけど、緋衣呂君よりも早く着いていたいだけ。
これぞ自己満足。
空気が冷たくなって寒いのに教室の窓を開けて緋衣呂君の姿を探す。
「 詩ー乃!おはよ 」
「 彩音 おはよ 」
「 ねぇ寒いから閉めてよ、風邪引くし 」
言われては仕方ない。
窓越しに緋衣呂君を探して見つけて、嬉しい。
緋衣呂君のそばに友達が寄ってきて話してる姿を見ていて顔が緩む。
「 どう?池沢 緋衣呂との付き合いは 」
「 楽しい、かな 」
「 へぇ 良かったね。じゃあさ、キスとかもうすぐじゃない?」
ドキッとした、そしてそれが顔に出てしまうほど。
恥ずかしいと照れくさいが顔に全部出て、最後は嬉しい笑顔。
「 やるじゃん、池沢 緋衣呂 」
「 ね 」
今思えば、不意にされたキスが恋しい。
次は あるかな、いつかな……