さすれば恋となる
私の両親は母親と父親は私が小学生の時、大腸癌で他界した。
5年、苦しんだけど会社の人や近所の人、たくさんの人に会いに来てもらえて、知り合えて幸せだったと……
何より、一人娘の私がいたから幸せだったと言ってくれた。
現実は厳しいもので、父が亡くなった後で母は体調を崩した。
支えられ、支えてきた父がいなくて糸がきれてしまったのか……
さらには、祖母が病気を患い介護が必要となり、私は高校には地元で通いたく悩んだところに叔父が手を差し伸べてくれた。
叔父の俊樹は気さくな人で、子供の頃から可愛がってくれて、今では娘のように思ってくれている。
無事に高校に入学し新しく友達も出来た。
そして、秋……
私は告白された。
人生初の出来事が起きた。
「 詩乃、彼氏のお迎えだよ~ 」
「 はーい!」
付き合い始めて一週間、毎日教室まで迎えにくる彼、緋衣呂君。
緋衣呂君が彼氏だとクラスや他のクラスの子達にも伝わり、すでに公認。
少し、彼氏だと言われることに慣れてきた。
「 お待たせ、行こっか 」
ただ、ちょっと……
緋衣呂君は私を可愛く見すぎている。