さすれば恋となる
私は裏にある部屋で密やかに作る。
季節に会わせた一点物、恋には定番のローズクウォーツにビーズ、形や大きさの異なる石を使い組合わせたピアスとイヤリング、ファーも合せいくつか作る。
組合わせは私次第で無限。
作ることに集中して、時間はすぎる。
それでも、頭のどこかで気になる緋衣呂君……
兄の暁月君……
「 詩乃、何かあった?彼氏とケンカした?」
「 まさか。緋衣呂君は優しいからそれはないよ 」
「 じゃあ、なんで元気ない?」
叔父さん心配してる……
困らせたくないし、私自身よくわかんない。
緋衣呂君と似てるけど違う……
「 ねぇ叔父さん、例えばだけど夢物語とか前世とかわかる?信じる?」
「 夢物語… 前世か…… まぁ難しいな。それは人それぞれだからな。
でも俺は分かる気がする 」
わかる…… 私はわかんないな。
だって今が現実だし、緋衣呂君は私の彼氏だから。
今の私が緋衣呂君に好きになってもらえてる事が夢物語だよ。