さすれば恋となる
華やぐ一日の始り……のはずが、緋衣呂君は学校を休んでいた。
それから翌日も、さらに翌日も休んでいた。
「 ねぇ 詩乃~ あんた魂抜けすぎ 」
「 そうだよ、池沢 緋衣呂だって風邪くらい引くでしょ~ 」
「 だってぇ 寂しいんだよ~ どこを見ても緋衣呂君いないし、男子の顔が緋衣呂君に見える錯覚まで~…… 」
これは重症だと見なした彩音と香、二人が緋衣呂君にラインすれば?と言うが、返事がないから寂しい。
なぜ返事がないのか、悩むしかない。
「 見舞いに行けば?彼女なんだし 」
彼女!!
そうだよ、私は彼女だよ!
「 見舞いに行って詩乃の顔を見たら… ギューとかするかもよ~ 」
「 お~!」
「 ギューしてチューでしょ~ 」
「 あ~!二人ともやめて~ 想像しただけでどうかなりそうだからっ 」
からかわれながらも内心かなりウハウハ気分。
彼女として見舞いに行きたい、だからラインして行くと伝えた。
でも……
“来るな”
この一言で私の想像した夢のような思いが泡と消えた。