さすれば恋となる

気分はドン底からの生還。

学校が終われば玄関で合流し向かうは緋衣呂君の家。



「 相瀬さんは緋衣呂君の家知ってるの?」

「 先生に聞いたから大丈夫。ちょっと緊張するよね 」

「 うん 」



そうだね… 実はかなり緊張してるけどね。

しかも緋衣呂君を好きだった人と一緒に行くわけだし……



「 詩乃ちゃんは… 」



詩乃ちゃん!?



「 何?」

「 池沢君のどんなとこが好き?」

「 え… 」



ん~ どこが好きか?

やっぱり優しいとこかなぁ

告白してくれた時も、ゆっくりでいいからって言ってくれて……

でも、ゆっくり出来ないくらい好きなっちゃってるなぁ 私。



「 詩乃ちゃん、池沢君が好きって顔してる。
私も同じだったからわかるよ…… まだほんとは好き、でも、忘れる努力するから許してね 」

「 相瀬さん…… 」



気持ちはすごく伝わった。

まだ好きって気持ちも理解できる。

でも、私の緋衣呂君だから……



ごめんね、相瀬さん。




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