さすれば恋となる
どうか、緋衣呂君が来てくれますように……
そう強く願う。
何より会いたい。
そして戸が開き顔が見えた。
「 あ、池沢君! 私ねっ… 」
「 詩乃っ 」
「 緋衣呂君… 」
わ、うわわっ……
部屋に入って来たのは暁月君ではなく、緋衣呂君だった。
入るなり、私にまっすぐ向かってきて両手で頬を挟み見てきた。
相瀬さんの目の前で……
「 詩乃、なんで来た?来るなって言ったろ 」
「 でも会いたくて… 心配だったし、全然ラインくれないし…… 」
おはようって一言だけで学校来なくて……
寂しいよ、すごく。
「 あの… 池沢君、私もいるんだけど 」
「 ああ、相瀬 何?」
「 何って…… とりあえず、その手離したら?詩乃ちゃん湯立ってるし 」
あはは~
そりゃあもう、ドキドキ半端ないから。
緋衣呂君が私のほっぺを……
相瀬さんに言われて、なぜか私の顔にさらに近づき見つめてくる緋衣呂君。
近っ!!
見つめすぎだから!!