さすれば恋となる
緋衣呂君は黙り、何かを気にかけるような風磨、その空気を打開したのは暁月君。
風磨君ともあまり話さない暁月君は緋衣呂君とは対照的。
「 暁月、久しぶり 」
特に返事もせず机にある本を取り部屋を出ていく。
風磨君はため息つき、緋衣呂君はごめんと一言。
「 双子だから、そんなの世の中にたくさんいるのにな…… 何らかの因果因縁があるんだろうけど、お前らのは仕方ないものかどうか…… 」
「 俺は詩乃を見かけた時、わかった…… この子が俺の人生を助けるんだなって 」
「 池沢家は代々双子、それが…… 」
「 風磨、俺は詩乃だけを見てる。ほんとに好きなんだ、意外にも…… こんなに好きになるとは思わなかったし、詩乃がいちいち可愛い 」
聞いている風磨は自分が照れ臭くなる。
「 はいはい、大事って事だろ 」
「 まぁな。詩乃には話すよ…… 風磨、頼みが… 」
「 わかってる、詩乃ちゃんなら任せなさい 」
少しホッとする緋衣呂君の顔を見て、風磨君はニカッと笑って見せていた。