さすれば恋となる
「 詩乃、どうした?」
「 緋衣呂君は冷静だね… 意外 」
私、すごく動揺してる。
普通に理解できるもの?
実は短命なんだ、俺…とか、それ言われてもわかんないよ。
誰だって寿命とかあるし、私にも……
でもあえて短命って何?
どう理解すればいいの?
「 ごめん、詩乃…… 話さない方が良かったかもな 」
「 ……でも、いつかわかることなんでしょ?だったら今で良かったと思うよ 」
きっと私、今よりも緋衣呂君を好きになるはずだから……
その時に聞かされたり、他の誰かから聞いたりしたら悲しすぎる。
緋衣呂君が話してくれた事に意味がある、そうだよね。
「 緋衣呂君、短命でも運命は決まってないと思う、だから…… 大丈夫!」
笑顔を見せなきゃ、泣き顔なんて見せられないから。
私の笑う顔に、緋衣呂君は抱きしめてくれた。
そして、囁いた。
“ ごめんな ”
そう言った。