さすれば恋となる

叔父さんと話したことで、私なりに前向きに考えることにした。

私が決められる運命じゃないのは確か。

ただ、緋衣呂君と一緒にいたい。


それだけ。


翌日、学校へいつものように早く行く。

そしてスマホには“おはよう”の言葉。


願うは緋衣呂君が来ますように……



「 あ… 来たぁ!」



緋衣呂君!



教室を飛び出して走る廊下、階段、近づく先には緋衣呂君がいる。

玄関口、間に合ったはずの緋衣呂君がいない。



「 あれ? どこ…… 」


緋衣呂君、あれは緋衣呂君だったよ。

見間違えるはず、ない!


教室へと戻ろうとして私の行く手に誰かが……



「 待って詩乃ちゃん 」


呼ばれ見れば風磨君だった。



「 あ!」

「 そ、俺、風磨、おはよう詩乃ちゃん 」

「 風磨君… おはよう。ねぇ緋衣呂君は?私教室から見たの、緋衣呂君来たよね、会いたいのっ 」

「 緋衣呂? たぶん、図書室かな~ 借りてた本を朝イチで返すって言ってたし 」

「 わかった!」



すぐに走った。

階段を馴れない二段飛ばしで駆け上がった。



緋衣呂君っ……


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