さすれば恋となる

というか、付き合ってるし特別だから呼ぶわけだし…… ダメなものかな?



「 わかった、詩乃の家に顔を出す 」

「 え… そんないいよ、気を使わないで 」

「 ご両親は?」

「 あ… 私ね、訳あって叔父さんと暮らしてるんだ、叔父さんねアクセサリーショップやってるから家じゃなくてショップに行く?」



そう言ってみた。

家といえば堅苦しいかもしれないと思ったから。

緋衣呂君はそれなら行こうと言ってくれた。




「 今から?」

「 そう、行く 」



行動あるのみの緋衣呂君。

彼氏を父親代わりの叔父に会わせられる。

恥ずかしさはあるけど、きっと私も叔父も嬉しい事。


40分後、アクセサリーショップ・ヒイラギに着いた。




「 挨拶する前に…… 詩乃の気持ちが知りたい 」

「 気持ち? もしかして、緊張してる?大丈夫だよ、叔父さん明るい人だから 」

「 違う、詩乃は今よりもっと俺を好きになるか知りたい 」



え… 今より?

付き合って一週間だし、緋衣呂君は好きだよ。

先の気持ちはわかんないけど……



「 私は緋衣呂君を今よりもっと知りたいし、好きだよ 」



緋衣呂君は優しいから。

ちょっと不安になったのかな?



「 俺は詩乃の気持ちより遥かに好きだ。今もこの先もずっとね 」

「 緋衣呂君…… 嬉しいよ 」

「 だから…… 」



だから?



「 一週間記念に、キスしとこうか 」



……はい?



有言実行。

緋衣呂君がニヤッと笑みを見せたかと思うと、唇に唇が重なった。


あまりの驚きで少し放心。

次はみるみる熱が込み上げて改めてビックリ。




「 キ、キ、キ… 」

「 しちゃったね、キス 」



あろうことか、叔父の店の真ん前。

しかも通りに面しているから誰かしらが見ていたから恥ずかしさいっぱい。



緋衣呂君とキスしちゃったー!!






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