さすれば恋となる

石嶺家のお手伝いさんが風磨君を呼び、しばらく部屋には私一人。

とても静かすぎて、落ち着かない。

緋衣呂君からはまだ連絡なし。



は~………



「 詩乃ちゃん 」

「 風磨君、どうしたの?」

「 …暁月だけど、今日は入院して明日から別荘に療養しに行くって 」



それって……

具合が思わしくないって事?

病院じゃなくて、療養するなんてよっぽど……



ゾクッ… と体に嫌な寒気が走る。



「 暁月は緋衣呂より…… 」

「 言わないでっ」



なんか、やだ。

聞かない……



私は耳を塞いだ。

そんな私に風磨君は言うのをやめた。



「 風磨君、緋衣呂君は私に連絡してくれるかなぁ 」

「 会いたい?」

「 うん、会いたい… 」



あ、ダメだ… 泣きそう。



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