さすれば恋となる

風磨君も緋衣呂君を心配してる。

ふと思う… 風磨君は池沢家の事をよく知っている。

緋衣呂君の願いを知っているということは、石嶺家が池沢家に使えるのもなくなると言うことだ。

それでいいのか、気になる。



「 詩乃ちゃん、緋衣呂も暁月に着いていくと思うから、しばらく会えないよ 」

「 そうだよね…… 」



私の彼氏は緋衣呂君。

会いたいと願う時、会えない。



「 私、こんなに緋衣呂君を好きになるなんて思わなかった… 」

「 俺は緋衣呂とは幼馴染みだから詩乃ちゃんより緋衣呂が好きだけどね 」

「 何、風磨君私に勝ってるつもり?」

「 そうだよ、詩乃ちゃんよりは 」



悔しい。

反論出来ないし。




「 でもさ、その緋衣呂が詩乃ちゃんに恋してんだもんな! 見てて羨ましいよ 」



ん?

羨ましい?



「 …風磨君って彼女いないの?」

「 ……… 」



あ、いないんだ。



< 73 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop