さすれば恋となる
季節は冬になって、緋衣呂君は学校に休学届けを出していた。
暁月君が倒れてから2ヶ月。
もうすぐ冬休み。
私は緋衣呂君から週に1回だけ電話で話していた。
緋衣呂君の様子は風磨君から聞いて、何も出来ない自分がもどかしい。
「 詩乃~ 帰り、ラーメン行こうよ 」
「 香、ここはピザ屋でしょ~ 」
「 彩音、香… 食よくないの 」
「 お弁当しっかり食べたくせに~ 」
「 そうだけど!」
香と彩音は私を心配している。
二人は緋衣呂君が短命だとは知らない。
教えても、きっとわかるようでわからない。
暁月君は緋衣呂君よりも体が弱いため高校には通わず自宅にいる。
それが、突然倒れて療養している。
具合はよくないと聞いた。
私は緋衣呂君がそばにいない事が辛い。
「 詩乃、彼氏元気?」
「 池沢 緋衣呂… 詩乃に会いたくないのかな? 会いたいから来いって言えばいいのに 」
そうだよ、私を必要としてほしい。
こんなに長く会えないなんて、辛いよ……