さすれば恋となる
風磨君に案内され客間だという離れた部屋に通された。
荷物を置いて、風磨君に呼ばれ行く。
緊張の最中ある部屋のドアの前へ。
「 …風磨君? 入らないの?」
「 詩乃ちゃん… 」
え…… な、に……
風磨君が、私の肩に頭を預けるようにして……
気づいたのはすぐ、風磨君は震えていた。
私の目はドアを見つめ……
開けた。
ベッドに横たわる暁月君がいる。
ゆっくり、そばへ……
そして私は声をかけようとした。
「 暁… 」
「 暁月はきっと目覚めない 」
「 緋衣呂、君…… 」
私の後ろにいた緋衣呂君。
見つめ言った暁月君を見て、悟った。
まだ、私たちは10代という若さ。
「 ねぇ… 緋衣呂君、どうして? なんの病気?治らないの?」
「 一昨日まで病院にいて、退院したんだ。家に帰るにもそこまで暁月は…… 」
や、だ… 言わないで。
緋衣呂君の声が震えてて、私はもう聞けなかった。