さすれば恋となる
しとしと雪が朝陽を浴びながらキラキラと輝く。
舞う雪が止まないように、私の涙も流れ続ける。
その時、微かに緋衣呂君の指が動いた気がした。
そんなはずないと思うも、私は奇跡を信じた。
私を好きな緋衣呂君が、私のために生きようともがいてるんじゃないかと……
運命に逆らう緋衣呂君がいる。
朝陽が緋衣呂君を照らす。
「 今… 起きてくれないなら私許さないからねっ 緋衣呂君っ!」
ねぇ… 緋衣呂君、私の心奪ってばっかりでずるいよ。
「 うぅ…… 」
緋衣呂君のバカ…
緋衣呂君に抱きつくようにして頬にキスを…
「 ……乃… 」
え…
奇跡が、私のために起きた。
緋衣呂君が意識を微かに取り戻したんです。
それは神様がくれた切なく儚い夢の奇跡。
「 風磨、母さん達に連絡!」
「 わかった!」
風磨君がバタバタと部屋を出て、暁月君が緋衣呂君に声をかけると、微かな笑みを見せた。