さすれば恋となる
1時間しないうちに緋衣呂君の両親がが担当医師と一緒に来た。
不思議な事に峠は越えたと言う。
私の元に緋衣呂君が帰ってきてくれた。
両親が私に挨拶、私もたくさん頭を下げながら挨拶した。
緋衣呂君はもう大丈夫だという確証はない。
それは生まれ持った双子の運命だから。
でも、その運命に逆らった緋衣呂君。
私は嬉しくて悲しみの涙が嬉し涙に変わった。
それから3日間、緋衣呂君は体力を少しずつ取り戻し、少しなら散歩が出来るようになった。
「 聞いたよ、緋衣呂君って実は暁月君でもあったんだね 」
「 …ごめん、双子だから暁月も詩乃が好きでお互い譲れなくて、意地悪したかもな 」
私、モテ期だ。
緋衣呂君が初めに私に告白。
暁月君も緋衣呂君に成り済まして私といたり、キスもきっとしてたんだな……
「 私、すごく愛されてるね 」
「 詩乃は俺達の大切な人だよ 」
そう言うと、私にキスを……
とても優しい、緋衣呂君の唇。
緋衣呂君か暁月君か、どちらかなんて素直にわからない。
でも、このキスはわかる。
図書室で緋衣呂君が私にしたキスだと……
わかるよ。