お姫様は俺のモノ②lovehistory

*闇に落ちる…仲間を失っても*

ーーードカッ



突然、頭に強い衝撃が走る。


ダメだ…………目の前が歪む。


うっすら見えた光景に、目を疑う。


「なんで?新くん!!」



新ーー?


ニヤリと笑う新が、姫を見てる。


逃げろーーーー



「逃げろ、姫!!」



歪む視界の中、ただ、その言葉を吐く。


精一杯、振り絞る言葉に震える姫が、いる。


「きゃっ!!」


引き寄せた新が、姫の耳を噛む。



「いやぁ!!海くん、助けて‼」


起きなきゃ、起きて助けなきゃ。


嫌がる姫の体に手を這わす新が、居てーー


それを傍観する事しか出来ない俺がいた。


「海!?」



誰かが、俺を呼ぶ声がする。


そこで、意識は途絶えたーーー
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