満月の存在。
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0, 月の悪魔


月が笑う。

月が呼ぶ。

月が導く。

月が指す。



"悪い人間はここだよ……、さぁ、殺して?"

そんな言葉が聞こえるかのように。

私を悪しき人間の元へ導く。





私は月に浮かぶ正義。
通称……月の悪魔。



『月が笑い月が導く。
今夜満月の月明かりに照らされたのは……貴方です。』


ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!

夜の闇に奇声が響く。
月明かりに照らされた悪魔は


黒い髪に、真っ赤な目。
雪のように透き通った白い肌

隠すかのようにフードが深く被られ、口元は無表情。

黒いパーカーをきた悪魔を見たが最後、
その人間は、もうこの世には居ない。



悪しき人間を殺す為に満月の夜に遣わされるのは

"満月の存在"

と呼ばれる満月のように偉大な力を持った人間のみ。

魔法と呼ばれる能力を持ち、鋭い洞察力でどんな相手も潰す。普通の人間は瞬きのする間もなく殺される。

そんな闇に








ただただ自分を守る1人の小さな少女がいた。
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