満月の存在。
学校。
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4 学校

ザワザワとうるさい教室に、私は久しぶりに入った。

もちろん、フードをつけて。

窓側の席。
皆がなりたいと願う席。

私の特等席になった隣の席には、まだ翔の姿は無かった。


……なんだ、まだ居ないんだ。
騒がしい教室も、
私を見る冷たい目も、
生暖かい風も、


私にとっては気にならない。
イヤホンをつけて、最近お気に入りの曲を聴く。



……待つの、あんまり好きじゃないんだけどな。
楽しませるなら、早く来てくれればいいのに。


翔「かのん、おはよう。
待たせてごめんね?」


片方のイヤホンを取って、聞こえるようにして笑いかけてきた。


きゃーーーっ!

そんな女子の悲鳴のような声が聞こえる。
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