満月の存在。

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翔「おはよっ、かのん。」

『……おはよう。』

翔が私の席に来た瞬間、周りの皆が口を閉じた。

異様な空気が私達を包む。

翔「今日はあったかいね~、そろそろ夏かな?かのんは夏休みになったらどこかに行くの?」


『あー…、特に何も無いよ。』

構わず続けるから、私もいつものように話した。
私に対する鋭い視線と、翔に向けられる恐怖の目。



翔「そ?なら一緒にどこか出かける?」


『え……t(女子)「翔くぅ~んっ!
昨日わぁ、ごめんねぇ……。
あんな空気になっちゃってぇ……、見てるしか出来なかったって言うかぁ…許してぇ………」』

いや、ガッツリ被害者ぶってるけど、私を一番睨みつけてたのあんただよね。


なんて言葉は押し込んで。

男子「……俺もっ。見た目で判断して、翔の彼女なんて知らなかったからさ、酷いこと言っちゃって、翔くん、ごめん!」

男子two「そうだよなっ、なんか、かのんちゃんって暗いイメージだったから、さ……、翔が怒るなんて思ってなくてさ、翔!ごめんっ」

女子two「私もっ、かのんちゃんの顔見たことなくて、それでも一緒にいるなんてなんか、許せなくて……でも……


"翔くんも皆の翔くんなのに、彼女作るなんて酷いかなぁ……っ,"」


……皆の、翔、ね。
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