満月の存在。
翔「俺はっ(?)「翔は、こいつはお前らの物じゃないだろうが。」」


その一言で、皆が振り返った。
黒髪の短髪
翔と同じ整った顔立ち
耳にはピアス
気崩した制服からチラチラと銀のネックレスが見える。


……the、不良

壁にもたれかかる、一人の男子生徒がいた。

女子「な、何言って……」

(?)「だからぁ……翔はお前らの物じゃないっつってんの。
翔の決定権は常にこいつにあるだろうが。お前らが決めることじゃない。

誰が彼女になったってこいつの自由だろ。ただのクラスメイトごときが、翔を縛り付けてんじゃねぇよ。」


唸るような狼のような声が静かな教室を響かせた。


まぁ、ごもっとも。

隣にいる翔は、少し震えていた。

『大丈夫。』


みんなに見つからないように、翔にしか聞こえない声で呟いて、手を握った。

……何でこんなことしたのか、私にも分からない。でも。







その震える手を止めたいと思った。
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