満月の存在。
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私は、手を上にかざしたまま、飛び起きた。


フカフカのベッドだったはずが、



冷たい、コンクリートの床に変わっていた。



『……へ……?』



起き上がると、一人部屋くらいの箱の牢屋に入る自分がいた。


悲しいとか、怖いとか、辛いとか、寒いとか、



何も感じなかった。
ただただ、私にあるのは、場所の把握のみ。


ピエロ「やぁかのん、おはよう。」

『おはようございます、ピエロ。』

ピエロ「寒いかな?」


鉄格子の前に、ピエロが現れた。
私を心配しているようだ。

ピエロが私をここにいれたのかな。

『いえ、お気づかいなく。
ですが何故こちらに私がいるのかと。』

ピエロ「あぁ……、少し精密検査を受けなければならなくてね。
他の人にも影響を与えてしまうからここに入れたんだ。
なにか不便があればいいなさい。」

『分かりました。』
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