満月の存在。
パチッ


目を開けるともうお昼になっているようだった。
……あんまり寝ていなかったから眠たかったのかもしれない。


無感情な私は小さくため息を漏らした。






……私を楽しませてくれるものは何かないのかな。


無表情に、無沈着。
どんなことにも動かない私の凍った心臓を少しでも揺らしてみたい。

……高校に入ったのは、そんな不純な動機が原因だった。


小さな箱の中に、社会が投影されているこの学校という名の社会は

人間の汚さをまるまる東映していると言っていいものだった。



……もっと汚いものも知っているけど。

仲いいふりして影ではコソコソと陰口を呟く。

あーぁ、ここに入っていいことなんて無いなぁ。


……そろそろ辞めちゃおうかな?












ガラッ


……なんて、考えていた時だった。
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