満月の存在。
?「……あ。」

……うーわ、私の場所取られた。

ドアから入ってきたのは、確か周りからキャーキャー言われているモテ男。
……うるさくてうるさくて毎度睨んでいるのを思い出した。



甘いルックス
右目の下にある泣きボクロ
モデルのようなスタイル
頭脳明晰
運動神経抜群
おまけに王子様のような男
女遊びは激しいとかなんとか。


人間に興味の無い私でも知っているほど、この男は有名人だ。

……面倒な男に鉢合わせしたなぁ。
横素通りしたら話しかけられないよね……。

?「ちょ、待ってっ!」

横を素通りしようとしたら、手首を掴まれた。

ゾワッ

見も毛もよだつほどの憎悪が私を襲った。

パシッ

すぐさま手を離し、後ろを振り返る。


『……何?』

?「……あー、いや、白羽かのんちゃんだよね?」

……なんで私の名前知ってるのか謎なんだけど。気持ち悪。

?「同じクラスなのに一言も喋ったことないでしょ?

綺麗な顔してるのにもったいないなぁ……。」

……あぁ、同じクラスね。
そうだっけ?
ま、どうでもいいけど。



『……要件はそれだけ?』

?「俺の話し相手になってよ。」
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