満月の存在。
…………女避け?

『……理解できない。』

翔「俺女の子たちに囲まれてるでしょ?
用事がある時も囲まれるから、物凄く迷惑してるんだ。言っちゃダメだけど。


でも、かのんちゃんが俺の彼女だって周りに知れ渡れば囲まれなくなると思うんだ。
ほら、かのんちゃん、何かとミステリアスでしょ?」

……ふーん。
仮の彼女ってわけね。
私になんのメリットがあるの?

『それ、私にとってデメリット。』

人間ごときに恨まれるのは別に苦でもないけど、人間がいうイジメとやらは面倒くさそうだから。

そういう人間は何人か見てきたし。
面倒くさそうなんだよね。
ゴミの処理とか。

……ま、異力使えばいいんだけど。

異力っていうのは

満月の存在が使う魔法のようなもの。

まぁ、魔法とはちょっと違う。
魔法使いも実際にいるけどね。

ま、こーゆー話は後でしてあげる。

翔「この場所、バラさないでいてあげるよ?俺とかのんちゃんだけの秘密の部屋。

どう?」

は?

『そんなことで頷くとでも?』

翔「もうこの学校に気休めできる場所なんてここしかないよ。

こんな穴場スポット、誰が見ても魅力的。場所がバレたら、面倒くさいんじゃない?」


……ふーん、それが交換条件ね。
半分脅しなのは気にしないでおこうかな。
じゃ、

『彼女になるのはいいけど、私が条件つけるから。

1、本当の彼女になる気はない。
2、ここに誰かを呼んだ、もしくは教えた時点で契約終了。
3、極力私に関わらないで。
4、体を触らないで。

この四つ。
守ってくれるならなってもいい。』


翔「3つ目までは分かったよ。
でも、どうして体を触っちゃいけないの?手も?」

『手も。
触られるの苦手。』

翔「そうなんだ、うん、分かった。
これで契約完了ね?


よろしく、かのん。」







私と五十嵐翔という謎の男は


今日、契約を結んだ。
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