【短】君のこと、離してなんてあげない。
きっと年は倍ほど違う。
いや、倍ではきかないかも。
それでも魅力的だと思う。
自然と惹かれてしまう。
整った顔して黙っていれば近寄りがたい色男なのに、くだらないギャグをいったり意外にオタクっぽいところが可愛い。
会うたびに好きが増してく。
これが恋なのかなんてわからない。
ちゃんと、したことがないから。
もしこれが恋なのだとしたら。
あたしはなんて無謀な恋をしているのだろう。
イヴをオーナーと過ごせているのが地味に嬉しい。
ううん、かなり嬉しい。
たとえそれが仕事だとしても。
それでも今日この場に居合わせてくれてることに感謝したい。
だけどあと1時間もすればあたしは帰らなきゃならない。
だって、高校生だから。
高校生は遅くまでは働けない。
きっとオーナーは、今夜ひとりでここで過ごすんだ。