曇のち晴れ
1時間かけて家に着いた私は、お母さんの帰りを待った。

『ただいまー!実和、病院行くよ~!18時の予約だから急ぐよー。』

「お帰り!準備万端!」

『何もないといいけどね…でも、こんだけお腹痛いのに何もなかったら逆に何だ?って話だけどね。』

「まぁ、何もないならそれで、かな。」

車で10分のところにあるかかりつけの病院に着き、問診票を書いた。

『笹山さーん!笹山 実和さーん!』

しばらくして名前を呼ばれ、診察室に入る。

「お願いします。」

『はい。お腹痛いのが治らないの?いつから?』

「夏休み明けからだから、1ヶ月位です。下痢も毎日で…」

『そうか…そこに仰向けになってくれる?』

ベッドに横になり、お腹を押される。

『どの辺りが痛む?』

「この辺です。」

『この辺か…起きていいよ。お母さんを呼んできてくれる?』

病院の先生が看護士さんに頼んだ。

コンコンコン…お母さんが入ってきた。

『お母さん、笹山さんの腹痛の原因は、"過敏性腸症候群"だと思われます。ここで血液検査をすることもできますが、総合病院に行って診てもらった方が良いかと思います。紹介状、書きましょうか?』

『そうですか。わかりました。お願いします。』

「ありがとうございました。」

診察室を出て待合室に行く。

看護士さんに、紹介状を書くのに少し時間がかかるから待っていてと言われた。

『原因、何だろうね~、総合病院に行かないとだね。』

「そうだね…」
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