Dear Hero
ぱちっと目を開けて飛び起きると、真っ赤な顔してパジャマをはだけさせた水嶋がいた。
全身の血の気が引いていく音がする。


……夢じゃ、ない…。


とろんとした水嶋の瞳からは、ぽろぽろと涙が溢れている。
涙を拭いながら起き上がる水嶋。


「ご、ごめん。俺…寝ぼけて……」


パニックになって、ひとまずはだけたパジャマを直そうとボタンに手をかけるも、焦ってなかなか掛ける事ができない。
その手をぎゅっと握られる。


「違うの…ごめんなさい…びっくりして……」
「………」
「ドキドキしたけど、嫌だったんじゃないんです……後悔しないって部屋に入ったのも私だし……ただ、突然でびっくりしただけで……」


ぽろぽろと止まらない涙を、そっと親指で拭う。


「……嫌じゃ、なかった?」
「嫌じゃない。むしろ…なんだか気持ちよくて………わっ」


ベッドに押し倒された水嶋は、目を真ん丸にしている。



「…そんな事言われたら、続きしたくなる……」



首筋にキスを落とすと、小さく震えて声が漏れる。
首、弱いんだ…。


誘うように見つめる瞳に、吸い込まれるように顔を近づける。
額、鼻、頬と順にキスを降らせると、そっと目を閉じる水嶋。


次は唇。
少しだけ上がった息を塞ぐように、口付け……
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