Dear Hero
***
待ち合わせの神社に着くと、孝介と哲ちゃんの他、栞ちゃんと紺野も揃っていた。
「あけましておめでとう!」
「今年もよろしくね」
新年の挨拶が飛び交う中、水嶋も女子たちときゃっきゃと騒いでいる。
「大護」
呼ばれて振り向くと、哲ちゃんに肩を組まれる。
「…アレ、出番あった?」
「………」
ジトリと睨んだはずなのに、哲ちゃんはニヤァと笑った。
「ドンマイ☆」
「そうゆう哲ちゃんはどうなのさ」
「え?なにが?」
ちょっと上から目線の自慢気な顔。
「…まじかよ」
「悪いなぁ。俺のが先輩だなぁ」
「……卒業は俺のが先だし」
「つっても、何も進展なかったわけじゃねぇんだろ?」
「………」
こそっと耳打ちする。
ぶはぁっと盛大に噴き出すと、声にならない笑いで俺の背中をバンバン叩く哲ちゃん。
「寝ぼけて……胸揉んで泣かれるとか…傑作か……」
声も出さずにプルプル震えて笑いながら、「孝介…孝介さん…傑作が生まれた…」と孝介を呼んで耳打ちすると、孝介も真顔でブフォッと噴き出す。
肩を震わせて腹を抱えながら「…おめでとう」と俺の肩を叩いた。
何の“おめでとう”だ、何の。
無音で笑い転げる哲ちゃんたちを、女子たちが遠巻きに「?」という顔で見ている。
「……笑うなとは言わないから、せめて声出して笑ってくれ…声を……」
待ち合わせの神社に着くと、孝介と哲ちゃんの他、栞ちゃんと紺野も揃っていた。
「あけましておめでとう!」
「今年もよろしくね」
新年の挨拶が飛び交う中、水嶋も女子たちときゃっきゃと騒いでいる。
「大護」
呼ばれて振り向くと、哲ちゃんに肩を組まれる。
「…アレ、出番あった?」
「………」
ジトリと睨んだはずなのに、哲ちゃんはニヤァと笑った。
「ドンマイ☆」
「そうゆう哲ちゃんはどうなのさ」
「え?なにが?」
ちょっと上から目線の自慢気な顔。
「…まじかよ」
「悪いなぁ。俺のが先輩だなぁ」
「……卒業は俺のが先だし」
「つっても、何も進展なかったわけじゃねぇんだろ?」
「………」
こそっと耳打ちする。
ぶはぁっと盛大に噴き出すと、声にならない笑いで俺の背中をバンバン叩く哲ちゃん。
「寝ぼけて……胸揉んで泣かれるとか…傑作か……」
声も出さずにプルプル震えて笑いながら、「孝介…孝介さん…傑作が生まれた…」と孝介を呼んで耳打ちすると、孝介も真顔でブフォッと噴き出す。
肩を震わせて腹を抱えながら「…おめでとう」と俺の肩を叩いた。
何の“おめでとう”だ、何の。
無音で笑い転げる哲ちゃんたちを、女子たちが遠巻きに「?」という顔で見ている。
「……笑うなとは言わないから、せめて声出して笑ってくれ…声を……」