Dear Hero
おみくじ引きたいという栞ちゃんの提案で、みんなで引いてみる。
初めてだという水嶋は、がんばりすぎて棒を2本も出してしまった。
「末吉………」
「中途半端でつまんねぇなー。いっそ凶だったらおもしろかったのにな」
「人の運勢、面白さ基準で決めんなよ…」
「で、でも!今が末吉って事はこれから良くなっていくって事でもありますし…!」
「フォローありがと…。中吉のお前に言われても複雑ですけど」
しょぼんとする水嶋だったが、「あ」と俺に自分のおみくじを見せる。
「私の運勢がこうなら、澤北くんのもきっと同じですよね」
“恋愛:難有れどうまくいく”
“待ち人:すでにいる”
「きっと…この待ち人って澤北くんだから…」
大事そうにおみくじをたたむと、財布にそっとしまった。
隣では、哲ちゃんお望みの凶を引いた栞ちゃんが、「できるだけ高いとこ!」と孝介に木の枝に結んでもらっている。
その隣では「恋愛:父母に相談せよ、って書いてある…お父さんに相談しようかな…」「あのお父さん!?やめて!飛鳥さんそれだけはやめて」と慌てふためく哲ちゃん。
俺の隣で「なんだか…賑やかですね」とくすくす笑いながら水嶋がみんなを見守る。
水嶋と、友人たち。
大事な人たちと、いつまでも笑って楽しく過ごしていられますように、ともう一度願った。
「そうだ、ダイくん」
紺野に腕を引っ張られて耳打ちされる。
ほんと、内緒話が好きなカップルだな。
「依ちゃん、なんか色っぽくなったね。他の人に取られる前に、ちゃんと気持ち伝えるんだよ」
「助言、ありがたいですが紺野に言われるとなんか複雑です…」
「ダイくんのが引きずってるじゃん。女々しいよ!」
背中をバンと叩かれる。
「……っ」
お前の一撃は重いんだよ…。
「大護になんて言ったの?」
「別に?トリプルデート楽しいねって」
「あいつらカップルですらないじゃん」
「そうだった!」
……前言撤回。
こいつらに笑われないで楽しめますように。
初めてだという水嶋は、がんばりすぎて棒を2本も出してしまった。
「末吉………」
「中途半端でつまんねぇなー。いっそ凶だったらおもしろかったのにな」
「人の運勢、面白さ基準で決めんなよ…」
「で、でも!今が末吉って事はこれから良くなっていくって事でもありますし…!」
「フォローありがと…。中吉のお前に言われても複雑ですけど」
しょぼんとする水嶋だったが、「あ」と俺に自分のおみくじを見せる。
「私の運勢がこうなら、澤北くんのもきっと同じですよね」
“恋愛:難有れどうまくいく”
“待ち人:すでにいる”
「きっと…この待ち人って澤北くんだから…」
大事そうにおみくじをたたむと、財布にそっとしまった。
隣では、哲ちゃんお望みの凶を引いた栞ちゃんが、「できるだけ高いとこ!」と孝介に木の枝に結んでもらっている。
その隣では「恋愛:父母に相談せよ、って書いてある…お父さんに相談しようかな…」「あのお父さん!?やめて!飛鳥さんそれだけはやめて」と慌てふためく哲ちゃん。
俺の隣で「なんだか…賑やかですね」とくすくす笑いながら水嶋がみんなを見守る。
水嶋と、友人たち。
大事な人たちと、いつまでも笑って楽しく過ごしていられますように、ともう一度願った。
「そうだ、ダイくん」
紺野に腕を引っ張られて耳打ちされる。
ほんと、内緒話が好きなカップルだな。
「依ちゃん、なんか色っぽくなったね。他の人に取られる前に、ちゃんと気持ち伝えるんだよ」
「助言、ありがたいですが紺野に言われるとなんか複雑です…」
「ダイくんのが引きずってるじゃん。女々しいよ!」
背中をバンと叩かれる。
「……っ」
お前の一撃は重いんだよ…。
「大護になんて言ったの?」
「別に?トリプルデート楽しいねって」
「あいつらカップルですらないじゃん」
「そうだった!」
……前言撤回。
こいつらに笑われないで楽しめますように。