Dear Hero
「お待たせしてごめんなさい」
ホテル内の温泉施設。
先に出た俺がソファでのんびり待っていると、浴衣姿の水嶋が小走りでやってきた。
本格的な温泉旅館ではないので、貸切露天風呂なんてのもないから、施設内の露天風呂で各々楽しむ。
まぁ、貸切露天風呂なんて俺にはまだハードル高すぎる訳ですけど。
「春の合宿ぶりの温泉、気持ちよかったです」
合宿か……。
あの時、初めて水嶋と話したんだよな。
まさか、その水嶋とこんな関係になるなんて、その時は思いもよらなかったなぁ。
「合宿……懐かしいですね。あの日、澤北くんが声をかけてくれたから、今の私があるんですよ」
温泉一つで同じ事を思い出せるのが、なんだかくすぐったかった。
部屋に戻ると、時間を確認する。
よし、予定通りの時間だ。
しかし……密室の中で見る浴衣姿の破壊力、半端ないな。
昼間の姿とは打って変わって、色っぽく大人の雰囲気が出ている。
濡れた髪をまとめた事で見えてくるうなじ、歩く度に裾から覗く細い足首…
露出している部分は少ないはずなのに、腰の紐一本、これ解いたら脱がせられちゃうんだよなぁ…なんて考えるも、はっと気づいて両頬をパンと叩く。
やめろ、よこしまな考えは。
サルか俺は。いや、俺はジェントルマン!
「湯冷めするから着ときなさい。あと、髪はすぐ乾かす、ほら行ってこい」
「は、はい…っ」
俺が着ていたカーディガンを羽織らせて、洗面所に追いやった。
その間に準備をする。
鞄から小さな箱を取り出して隠しておく。
念のため、障子を開けて外を確認する。
よし、完璧。
あとは、心の準備だけ。
ホテル内の温泉施設。
先に出た俺がソファでのんびり待っていると、浴衣姿の水嶋が小走りでやってきた。
本格的な温泉旅館ではないので、貸切露天風呂なんてのもないから、施設内の露天風呂で各々楽しむ。
まぁ、貸切露天風呂なんて俺にはまだハードル高すぎる訳ですけど。
「春の合宿ぶりの温泉、気持ちよかったです」
合宿か……。
あの時、初めて水嶋と話したんだよな。
まさか、その水嶋とこんな関係になるなんて、その時は思いもよらなかったなぁ。
「合宿……懐かしいですね。あの日、澤北くんが声をかけてくれたから、今の私があるんですよ」
温泉一つで同じ事を思い出せるのが、なんだかくすぐったかった。
部屋に戻ると、時間を確認する。
よし、予定通りの時間だ。
しかし……密室の中で見る浴衣姿の破壊力、半端ないな。
昼間の姿とは打って変わって、色っぽく大人の雰囲気が出ている。
濡れた髪をまとめた事で見えてくるうなじ、歩く度に裾から覗く細い足首…
露出している部分は少ないはずなのに、腰の紐一本、これ解いたら脱がせられちゃうんだよなぁ…なんて考えるも、はっと気づいて両頬をパンと叩く。
やめろ、よこしまな考えは。
サルか俺は。いや、俺はジェントルマン!
「湯冷めするから着ときなさい。あと、髪はすぐ乾かす、ほら行ってこい」
「は、はい…っ」
俺が着ていたカーディガンを羽織らせて、洗面所に追いやった。
その間に準備をする。
鞄から小さな箱を取り出して隠しておく。
念のため、障子を開けて外を確認する。
よし、完璧。
あとは、心の準備だけ。