Dear Hero
高校の中で紺野に再会したのは、6月の終わり頃だった。
それまで、メールのやり取りはしていたけど、会う事はなかった。
……というか、だいたい俺が大護と一緒にいるから出てこれなかったのかもだけど。
その日、バイトの面接があるから、と大護は先に帰っていった。
孝介は委員会の集まりがあるって言ってた。
一人で帰るのは久しぶりだなぁと思いながら駐輪場へ向かっていると、後ろからものすごい勢いでタックルされた。
「……っ!?」
びっくりして振り向くと、紺野の顔が目の前にあってぎょっとした。
「こ、紺野…!?」
「ちょっとテツくん!これどういう事!?」
「あー……」
紺野の顔のすぐ隣には、昨日俺が送ったメールの画面を表示した携帯。
近すぎる顔から逃れたいのと、やっぱり来たかという緊張から、顔を逸らす。
「ダイくんに彼女できたって……」
「うん、まぁ……伝えとこうと思って…」
「………」
「……暇なら、どっかで話す?」
学校の近くのファストフード店に入ると、紺野はストローをくわえたままシェイクをちびちびと飲んでいた。
目を伏せているからか、まつげが長く見える。
肌もなんだかキレイになったし、眉も整ってる。
肩まで伸びた髪は、明るく栗色になっていた。
オレンジ色のヘアピンは、もうついていない。
なんだか、あか抜けた。
今までもかわいかったけど、ちょっと大人っぽくなったみたいで思わず見惚れていた。
「……そんなじろじろ見ないでよ」
「えっ!見てねぇし!」
「見てたじゃない。……どうせ化粧似合わないとか思ってるんでしょ」
「思ってないって。ふつーに…かわいくなったなって思っただけじゃん」
「……っ」
「ばっ…照れんなよ!俺そうゆうキャラじゃないだろ!?」
「テツくんが…っいきなりそうゆう事言うからじゃない!」
「あーそー。んじゃもう言わねー」
「……なによ。テツくんだって髪こんなんにしちゃって…」
からかうようにテーブル越しに俺の髪に触れる紺野。
短くなった分、触れられる感覚が伝わってドキリとする。
「……っ!ごめん」
思わず紅くなってしまった顔に気づいた紺野が、慌てて手を引っ込める。
……全然ダメだ。
こんな事で意識してたらダメだ。
俺の気持ちは、悟られちゃいけないんだから。
「そ、そうだ!ダイくんの彼女の事だよ!」
焦ったように話題を変え、先ほどのメールの画面を見せる。
「彼女できたって……本当…?」
それまで、メールのやり取りはしていたけど、会う事はなかった。
……というか、だいたい俺が大護と一緒にいるから出てこれなかったのかもだけど。
その日、バイトの面接があるから、と大護は先に帰っていった。
孝介は委員会の集まりがあるって言ってた。
一人で帰るのは久しぶりだなぁと思いながら駐輪場へ向かっていると、後ろからものすごい勢いでタックルされた。
「……っ!?」
びっくりして振り向くと、紺野の顔が目の前にあってぎょっとした。
「こ、紺野…!?」
「ちょっとテツくん!これどういう事!?」
「あー……」
紺野の顔のすぐ隣には、昨日俺が送ったメールの画面を表示した携帯。
近すぎる顔から逃れたいのと、やっぱり来たかという緊張から、顔を逸らす。
「ダイくんに彼女できたって……」
「うん、まぁ……伝えとこうと思って…」
「………」
「……暇なら、どっかで話す?」
学校の近くのファストフード店に入ると、紺野はストローをくわえたままシェイクをちびちびと飲んでいた。
目を伏せているからか、まつげが長く見える。
肌もなんだかキレイになったし、眉も整ってる。
肩まで伸びた髪は、明るく栗色になっていた。
オレンジ色のヘアピンは、もうついていない。
なんだか、あか抜けた。
今までもかわいかったけど、ちょっと大人っぽくなったみたいで思わず見惚れていた。
「……そんなじろじろ見ないでよ」
「えっ!見てねぇし!」
「見てたじゃない。……どうせ化粧似合わないとか思ってるんでしょ」
「思ってないって。ふつーに…かわいくなったなって思っただけじゃん」
「……っ」
「ばっ…照れんなよ!俺そうゆうキャラじゃないだろ!?」
「テツくんが…っいきなりそうゆう事言うからじゃない!」
「あーそー。んじゃもう言わねー」
「……なによ。テツくんだって髪こんなんにしちゃって…」
からかうようにテーブル越しに俺の髪に触れる紺野。
短くなった分、触れられる感覚が伝わってドキリとする。
「……っ!ごめん」
思わず紅くなってしまった顔に気づいた紺野が、慌てて手を引っ込める。
……全然ダメだ。
こんな事で意識してたらダメだ。
俺の気持ちは、悟られちゃいけないんだから。
「そ、そうだ!ダイくんの彼女の事だよ!」
焦ったように話題を変え、先ほどのメールの画面を見せる。
「彼女できたって……本当…?」