Dear Hero
日を重ねていくうちに、少しずつ近くなっていく大護と水嶋の距離。
不器用だけど一生懸命なのが微笑ましかったし、幸せそうな顔する大護を見ているのが嬉しかった。
今度こそ、大護には本当に幸せになってもらいたかった。
「澤北くん、帰り際にすみません」
一学期の終業式、帰り際に水嶋が大護に声をかける。
図らずも、二人は文化祭の実行委員を務める事になっていた。
「ど…どうした?」
「ご…ご相談があります…!」
「相談?」
「す、すみません…こんな事、澤北くんにしかお願いできなくて…」
水嶋が人に頼み事するなんて、初めて見た気がする。
その言葉を聞いた大護の表情が和らぐ。
「…うん。どうした?」
「あ、あの…私、カフェというものに行った事がなくて…」
「カフェ?」
「やはり文化祭で出し物としてやる以上、それを引っ張る立場である以上、カフェというものがどんなものなのか知っておかなければと思いまして…」
「真面目か」
「ですが、私一人で行く勇気はなくて…だから…その…」
これはチャンスだと思った。
俺の中のお節介魂に火が灯る。
「つまり、大護に一緒に行ってほしいって事?」
俺の登場に、水嶋はあわあわしている。
それを心配そうに見つめる大護。
「いいじゃん!実行委員二人で市場調査してきたら?」
「市場調査か…確かに俺もカフェとか行った事ねぇな…」
「孝介はともかく、大護そうゆう所に縁ないもんね」
「うるさいよ!哲ちゃんもじゃん!」
………掛かった。
ピンと来て、思わず口元が緩んでしまう。
少しだけ考えた大護が口を開く。
「じゃあ……一緒に行く?」
この市場調査がきっかけで距離が一気に縮んだのだと、二人が結ばれてからこっそりと感謝された。
新しい恋に奮闘する大護の応援というミッションが、俺の新たな楽しみとなっていた。
不器用だけど一生懸命なのが微笑ましかったし、幸せそうな顔する大護を見ているのが嬉しかった。
今度こそ、大護には本当に幸せになってもらいたかった。
「澤北くん、帰り際にすみません」
一学期の終業式、帰り際に水嶋が大護に声をかける。
図らずも、二人は文化祭の実行委員を務める事になっていた。
「ど…どうした?」
「ご…ご相談があります…!」
「相談?」
「す、すみません…こんな事、澤北くんにしかお願いできなくて…」
水嶋が人に頼み事するなんて、初めて見た気がする。
その言葉を聞いた大護の表情が和らぐ。
「…うん。どうした?」
「あ、あの…私、カフェというものに行った事がなくて…」
「カフェ?」
「やはり文化祭で出し物としてやる以上、それを引っ張る立場である以上、カフェというものがどんなものなのか知っておかなければと思いまして…」
「真面目か」
「ですが、私一人で行く勇気はなくて…だから…その…」
これはチャンスだと思った。
俺の中のお節介魂に火が灯る。
「つまり、大護に一緒に行ってほしいって事?」
俺の登場に、水嶋はあわあわしている。
それを心配そうに見つめる大護。
「いいじゃん!実行委員二人で市場調査してきたら?」
「市場調査か…確かに俺もカフェとか行った事ねぇな…」
「孝介はともかく、大護そうゆう所に縁ないもんね」
「うるさいよ!哲ちゃんもじゃん!」
………掛かった。
ピンと来て、思わず口元が緩んでしまう。
少しだけ考えた大護が口を開く。
「じゃあ……一緒に行く?」
この市場調査がきっかけで距離が一気に縮んだのだと、二人が結ばれてからこっそりと感謝された。
新しい恋に奮闘する大護の応援というミッションが、俺の新たな楽しみとなっていた。