Dear Hero
「これでやっと、恩返しができる」
「……恩返し?」
「あ、また忘れてる!?私の恋が終わったらテツくんの片想い協力するって話してたでしょ!?」
「あー……そうだっけ…?」
「ちょっと!誤魔化さないでよ!?そのために私もがんばったんだから!」
「そのため!?お前、ゴールの目的変わってんじゃねぇかよ!」
「私が何を目的にしたっていいじゃない!ちゃんとゴールまで来たでしょ!?」
「……俺のおかげだけどな」
「そうだよ!テツくんのおかげだから、テツくんに恩返ししたくてがんばったんだから!」
「………っ」
………あぁ、もう。
早く手を離して。
あれだけ「大護、大護」と言っていた紺野が、俺の事まで考えてくれていたなんて。
もう、それだけで胸いっぱいだ。
握られた手から、俺、蒸発しちゃいそうだよ。
「テツくんの好きな子って誰?私知ってる子?」
「……知らん。言わねぇ」
「なんでよ!教えてくれなかったら私何もできないじゃん!」
「いいよ、何もしなくて……」
「それじゃ約束にならないじゃない!」
「ちょっと、ほんと待って。心の準備が……」
「いいよ、このまま待つから」
「今!?今言うの!?」
「うん、このまま待ってる」
「いや、いい!待たなくていいから…!」
じりじりと迫ってくる紺野。
ちょっと……本当、もう顔に出ちゃうから。
まじでまずいって。
「……ひとまず、手、離して…」
「離さない。教えてくれるまで、離さないから」
「………っ」
やばい。
俺が圧されてる。
こんな状況で言えっての?
心の準備もできないままに?
じわじわと顔が熱くなってくる。
「………本当に、それ聞く覚悟あんの…?」
「うん」
「後悔しない?」
「うん」
「気まずくなったりしない?」
「誰と?」
「俺と」
「しないでしょ」
「なんで?」とばかりにきょとんとする。
あぁ、ダメだ。
もう逃げられない。
大きく息を吸って、じっくりと吐き出す。
「……恩返し?」
「あ、また忘れてる!?私の恋が終わったらテツくんの片想い協力するって話してたでしょ!?」
「あー……そうだっけ…?」
「ちょっと!誤魔化さないでよ!?そのために私もがんばったんだから!」
「そのため!?お前、ゴールの目的変わってんじゃねぇかよ!」
「私が何を目的にしたっていいじゃない!ちゃんとゴールまで来たでしょ!?」
「……俺のおかげだけどな」
「そうだよ!テツくんのおかげだから、テツくんに恩返ししたくてがんばったんだから!」
「………っ」
………あぁ、もう。
早く手を離して。
あれだけ「大護、大護」と言っていた紺野が、俺の事まで考えてくれていたなんて。
もう、それだけで胸いっぱいだ。
握られた手から、俺、蒸発しちゃいそうだよ。
「テツくんの好きな子って誰?私知ってる子?」
「……知らん。言わねぇ」
「なんでよ!教えてくれなかったら私何もできないじゃん!」
「いいよ、何もしなくて……」
「それじゃ約束にならないじゃない!」
「ちょっと、ほんと待って。心の準備が……」
「いいよ、このまま待つから」
「今!?今言うの!?」
「うん、このまま待ってる」
「いや、いい!待たなくていいから…!」
じりじりと迫ってくる紺野。
ちょっと……本当、もう顔に出ちゃうから。
まじでまずいって。
「……ひとまず、手、離して…」
「離さない。教えてくれるまで、離さないから」
「………っ」
やばい。
俺が圧されてる。
こんな状況で言えっての?
心の準備もできないままに?
じわじわと顔が熱くなってくる。
「………本当に、それ聞く覚悟あんの…?」
「うん」
「後悔しない?」
「うん」
「気まずくなったりしない?」
「誰と?」
「俺と」
「しないでしょ」
「なんで?」とばかりにきょとんとする。
あぁ、ダメだ。
もう逃げられない。
大きく息を吸って、じっくりと吐き出す。