Dear Hero
現在、29歳だという樹さん。
きっちりと着こんだスーツに、短いながらもキレイにセットされた髪は清潔感があるのに、凛々しい。
同じ黒髪でも、テキトーにセットしてるだけの俺とは大違いだ。
「あっちぃー」とネクタイを緩める仕草は、世の中のお姉さん方がキュン死にすると騒ぐのも共感できる程に大人の色気が漂っている。
先日借りたちょっとおしゃれなTシャツや、洗面所に置かれたワックスも樹さんが使っているというなら納得だ。
こういう大人になりたいなって、少し憧れる。
きっと…援交の相手と間違われているのも樹さんなんだろうな。
この人が相手なら、援交というより彼氏と間違えそうだけど……。
幸せそうな顔で男の人と腕を組み、玄関を開けて部屋に入っていく水嶋の姿を想像すると、ズキンと胸が痛んだ。
あれ?
なんだ?この痛み……
「ちょっと…部屋を移動しようか」
ズキズキする胸を押さえていると、樹さんに声を掛けられビクリとした。
「部屋に連れ込んで締め上げるとかじゃないから」と苦笑する樹さんに従いソファから立ち上がると、氷の入ったお茶を三つトレーにのせてキッチンから出てきた水嶋と鉢合う。
「澤北くんと俺の部屋行ってるな」
「…え」
「だから、取って食ったりしねーから。二人して同じリアクションすんなよ」
ふははっと笑いながら、躊躇う水嶋の頭をぽんぽんしてお茶を一つ手に取るとリビングを出ていく。
それに続いて「もらうね」とお茶を手に取り、一瞬だけ考えて同じように頭をぽんぽんとする俺。
ちょっと、真似してみた。
その瞬間、ぶわっと赤面する水嶋を見て恥ずかしくなってしまう俺は、まだまだ大人の余裕には程遠いや。
きっちりと着こんだスーツに、短いながらもキレイにセットされた髪は清潔感があるのに、凛々しい。
同じ黒髪でも、テキトーにセットしてるだけの俺とは大違いだ。
「あっちぃー」とネクタイを緩める仕草は、世の中のお姉さん方がキュン死にすると騒ぐのも共感できる程に大人の色気が漂っている。
先日借りたちょっとおしゃれなTシャツや、洗面所に置かれたワックスも樹さんが使っているというなら納得だ。
こういう大人になりたいなって、少し憧れる。
きっと…援交の相手と間違われているのも樹さんなんだろうな。
この人が相手なら、援交というより彼氏と間違えそうだけど……。
幸せそうな顔で男の人と腕を組み、玄関を開けて部屋に入っていく水嶋の姿を想像すると、ズキンと胸が痛んだ。
あれ?
なんだ?この痛み……
「ちょっと…部屋を移動しようか」
ズキズキする胸を押さえていると、樹さんに声を掛けられビクリとした。
「部屋に連れ込んで締め上げるとかじゃないから」と苦笑する樹さんに従いソファから立ち上がると、氷の入ったお茶を三つトレーにのせてキッチンから出てきた水嶋と鉢合う。
「澤北くんと俺の部屋行ってるな」
「…え」
「だから、取って食ったりしねーから。二人して同じリアクションすんなよ」
ふははっと笑いながら、躊躇う水嶋の頭をぽんぽんしてお茶を一つ手に取るとリビングを出ていく。
それに続いて「もらうね」とお茶を手に取り、一瞬だけ考えて同じように頭をぽんぽんとする俺。
ちょっと、真似してみた。
その瞬間、ぶわっと赤面する水嶋を見て恥ずかしくなってしまう俺は、まだまだ大人の余裕には程遠いや。