Dear Hero
「依ちゃんお待たせっ!髪乾かそー…って、きゃああああああ!!!!お母さん!!大ちゃんが早速依ちゃんに手ぇ出してる!!!」
ノックもせず突然開いたドアと姉ちゃんの声に、我に返って急いで体を離す。
「ば……っ!ま、まだ出してない!!ていうか勝手に部屋入んなっていつも言ってんだろ!!」
抗議のために立ち上がろうとして、とある事に気づき急いで前屈みになる。
こんなの見られたら、言い訳も何もできなくなる。
慌てて取り繕う俺の声に、水嶋ははっと気づき、思い出したように顔を真っ赤にして手で顔を覆ってしまった。
隠れる直前に、水嶋の瞳が潤んでいたのが目に入り、胸がきゅっと痛くなる。
「し…失礼します…っ」
逃げるように俺から離れ、姉ちゃんの元に駆け寄ると「目にごみが入ってしまって、見てもらっていたんです」と説明しながら隣の部屋へ入っていった。
「あーーー……」
ベッドに寝転がると、やり場のない気持ちが声となって抜けていく。
水嶋との同居1日目は、俺のこれからに暗い影を落として終わっていった—————
ノックもせず突然開いたドアと姉ちゃんの声に、我に返って急いで体を離す。
「ば……っ!ま、まだ出してない!!ていうか勝手に部屋入んなっていつも言ってんだろ!!」
抗議のために立ち上がろうとして、とある事に気づき急いで前屈みになる。
こんなの見られたら、言い訳も何もできなくなる。
慌てて取り繕う俺の声に、水嶋ははっと気づき、思い出したように顔を真っ赤にして手で顔を覆ってしまった。
隠れる直前に、水嶋の瞳が潤んでいたのが目に入り、胸がきゅっと痛くなる。
「し…失礼します…っ」
逃げるように俺から離れ、姉ちゃんの元に駆け寄ると「目にごみが入ってしまって、見てもらっていたんです」と説明しながら隣の部屋へ入っていった。
「あーーー……」
ベッドに寝転がると、やり場のない気持ちが声となって抜けていく。
水嶋との同居1日目は、俺のこれからに暗い影を落として終わっていった—————