Dear Hero
接客係から始まり、定刻には模擬店の売り上げを文化祭事務局に預けに行き、教室の帰りがてらに看板を持ってクラスの宣伝、想定以上の客が集まり手が回らなくなってきた調理班のサポート。
そこまでこなした後に、やっと俺の休憩時間は回ってきた。
しかし、残念なお知らせ。
部活の出し物にトラブルが発生し、そっちに出ないといけなくなったという女子が現れ、案の定、水嶋はそいつと当番を交換してしまった。
つまり、俺の努力は水の泡。
水嶋との休憩時間一緒作戦は失敗に終わったわけだ。
孝介は風紀委員で見回り中。
哲ちゃんは調理班で必死になってる。
楽しくなるはずの休憩時間がとんでもなく寂しい事になりそうで、どうしたもんかと教室の隅の荷物置き場から財布を探す。
「あ、ダイくんだ」
名前を呼ばれた気がして振り向くと、廊下から笑顔で手を振る女の子。
「紺野」
「わ、ダイくんその格好いいじゃん!ぽいよ!」
「なんだよ、ぽいって。何っぽいんだよ」
「んー……カフェっぽい?」
「なんだそれ」
褒めてんのか貶してんのかわかんないような感想を言われて苦笑してしまう。
紺野は窓枠に手をかけたまま、ニコニコとお構いなしの表情だ。
「お財布…って事は、もしかしてダイくんこれから休憩?」
「おお、1時間だけな」
「うそっ。ね、じゃあさ一緒に回らない?」
「……いいけど」
「ほんとに?やったー」
ヒマワリみたいな笑顔で喜ぶ紺野。
一人で淋しく回るよりも、気心知れたやつと回る方が俺だって楽しい。
邪魔なのでエプロンを外そうとすると、「ちょっと待って!」とストップが入る。
「…何?」
「エプロン取っちゃうの?せっかくなんだからつけて行こうよ」
「だって邪魔じゃん」
「それつけてた方が宣伝にもなるんじゃない?
「………」
なんか納得いかないような気もするけど、紺野が言う事も一理あるので素直に従う事にした。
そこまでこなした後に、やっと俺の休憩時間は回ってきた。
しかし、残念なお知らせ。
部活の出し物にトラブルが発生し、そっちに出ないといけなくなったという女子が現れ、案の定、水嶋はそいつと当番を交換してしまった。
つまり、俺の努力は水の泡。
水嶋との休憩時間一緒作戦は失敗に終わったわけだ。
孝介は風紀委員で見回り中。
哲ちゃんは調理班で必死になってる。
楽しくなるはずの休憩時間がとんでもなく寂しい事になりそうで、どうしたもんかと教室の隅の荷物置き場から財布を探す。
「あ、ダイくんだ」
名前を呼ばれた気がして振り向くと、廊下から笑顔で手を振る女の子。
「紺野」
「わ、ダイくんその格好いいじゃん!ぽいよ!」
「なんだよ、ぽいって。何っぽいんだよ」
「んー……カフェっぽい?」
「なんだそれ」
褒めてんのか貶してんのかわかんないような感想を言われて苦笑してしまう。
紺野は窓枠に手をかけたまま、ニコニコとお構いなしの表情だ。
「お財布…って事は、もしかしてダイくんこれから休憩?」
「おお、1時間だけな」
「うそっ。ね、じゃあさ一緒に回らない?」
「……いいけど」
「ほんとに?やったー」
ヒマワリみたいな笑顔で喜ぶ紺野。
一人で淋しく回るよりも、気心知れたやつと回る方が俺だって楽しい。
邪魔なのでエプロンを外そうとすると、「ちょっと待って!」とストップが入る。
「…何?」
「エプロン取っちゃうの?せっかくなんだからつけて行こうよ」
「だって邪魔じゃん」
「それつけてた方が宣伝にもなるんじゃない?
「………」
なんか納得いかないような気もするけど、紺野が言う事も一理あるので素直に従う事にした。