天神学園のお忍びな面々
少々不躾に視線を向けすぎたか。

「……」

牡丹が、美緒達の目に気付く。

彼は向き直るなり、ズカズカとこちらに歩み寄ってくる。

左手は、腰の柊の柄にかかっている。

「美緒様」

美緒を庇うように立つ甲斐。

構う事なく牡丹は前進し。

「や…ちょっ…」

小柄な美緒を挟み、いつの間にか彼女の背後に立っていた黒道着の男と睨み合った。

「せ、先輩…?」

先日見た容姿とは、随分と様変わりした先輩の風貌に、美緒は確信を持てない。

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