天神学園のお忍びな面々
「時に美緒っ」

エレナは高速歩法・縮地で素早く美緒の背後を取り、瞬時にして彼女の喉元に菩薩の刃をヒタリと当てる。

「この天神に来て早幾星霜、もう想い人の1人や2人出来たのでしょうっ?」

「え゛」

「菩薩の曇りなき刃の前に、嘘偽りは通用しませんっ」

具体的に言うと、嘘ついたら菩薩飲ます。

曲芸か。

「え、そ、そんな、私想い人とかそういう人は、私は天神学園には留学に来たのであって…」

「そう、つまらないですわっ、なら貴女は蘭丸にチョコを送りなさいっ」

「有無を言わさず嫁ぎ先決められたっ?政略結婚っ!」

美緒がガビン!となる。

「そうと決まれば、いざ!」

美緒をポイと放り投げ、エレナは菩薩の切っ先を明後日の方向へと向ける。

「乙女の決戦に備え、陸蒸気を乗り継いで天神モールへ!大正乙女の波乱万丈間近なのですっ!」

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