天神学園のお忍びな面々
廊下の向こうから、誰かが歩いてくる。

桃色がかった金髪の長い髪、空色の瞳。

華奢な体躯に、両親譲りの童顔の少女。

愛らしい容姿なのは間違いないのだが、その双眸は赤く輝いている。

まるで人間の皮が剥がれてしまったターミネーターの眼だ。

その片手には、人。

少女よりも少しばかり背が高いであろう人間が、首根っこを摑まれ、廊下を引き摺られている。

気絶しているのか、或いは死んでいるのか。

引き摺られている者は、ピクリとも動かない。

「美緒様、こちらへ」

刺激しないように声を潜めながら、甲斐は美緒を下がらせる。

凄まじい殺気、そして甲斐にも感じ取れるほどの、これは魔力か。

相当な手練れだ。

今の甲斐では、明らかに太刀打ちできないほどの。

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