天神学園のお忍びな面々
果たし合い。

久しく天神学園でも聞かれなかった物騒な言葉に、野次馬の生徒達…ディアを含む…はざわめく。

「勅使河原 龍駆っ！」

エレナは菩薩の切っ先を、外に転がっているリュークに向けた。

「貴方は聞く所によると、我が天神女子会の会員ツィーディア・グリフィノーに恋慕の情を抱いているとかっ！」

エレナの言葉に、再び野次馬達がざわめいた。

その場にいたディアにも、注目が集まる中。

「…違いない」

リュークは立ち上がりながら言った。

「幼き頃、番犬養成所時代より、俺は見も知らぬディアに憧憬にも似た慕情を抱いていた。それが何か？」

「……っ」

何か、ではない。

そう言いたくなるのを押し殺し。

「我が天神女子会の大切な会員に、そう易々と手出しさせる訳にはいきませんっ！ディアとの交際の許可を得たければ、私を倒しなさいっ！」

エレナは凛とした口調で言い放った。

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