天神学園のお忍びな面々

まぁそうやって理事長が凍死寸前まで追い込まれる中、白雪は1人大学部のキャンパスに侵入していた。

侵入といっても、大学部もご多分に漏れずザルのような校門全開、来る者拒まずウエルカムな雰囲気を醸し出している。

セキュリティチェックなどあろう筈もなく、白雪は余裕で中に入ってしまう。

芝生の上に座り込んで語らう女性達、柔道着を着た集団が走り込みを行っているのか横切っていく。

ベンチに腰掛けてレポートを書いている男性、次の講義に向かうべく歩いていく2人組。

実に開放的。

高等部や中等部とはまた違った自由な校風だ。

白雪がフラフラと歩いていても、誰も奇異の目で見る事はない。

「……………………………………大人な雰囲気」

白雪、ポツリと呟く。