天神学園のお忍びな面々
「そっかあ」

美緒がホッとしたように、甲斐の顔を見る。

「良かった…甲斐君も、先輩をリスペクトしてるんだね。私は先輩の親切さに、甲斐君は先輩の強さに、だけど」

「り、りすぺくと…?」

ヒノモトも星間交流を開始して十数年になるが、どうにも甲斐は横文字は苦手だ。

「尊敬、って意味だよ。私は先輩の人柄を、甲斐君は先輩の武道家としての強さを尊敬しているって事」

「尊敬…ですか」

少し視線を下げるものの。

「そうですね。そうかもしれない」

甲斐は素直に頷いた。

「俺は自分の出来ない事が出来る者には、尊敬を抱きます。遥か遠くミルトゥワより来訪され、いまや将軍としてヒノモトの象徴となった龍斗公に尊敬の念を抱いていますし、単身天神学園に留学され、勉学に勤しんでおられる美緒様にも尊敬の念を抱きます」

「や、やめてよ、もう…」

頬を赤らめる美緒。

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