天神学園のお忍びな面々
普段は誰も踏み入る事のない、森の奥深く。

そもそもこの小道から、こんな深い森に出る事自体、殆どの生徒は知らぬのではないだろうか。

生い茂る木々は様々だが、その中に数本、桜の樹があった。

春には満開の花を咲かせるであろう、様々な品種の桜。

そんな桜達に見守られるように、ひっそりと佇む大きな樹が聳えている。

一際大きい。

一体いつから、この地にあるのか。

天へと伸びる枝々は雲を摑むようだが、その在り様はあくまで穏やか。

小鳥達が羽休めの止まり木として、次々に集う。

< 77 / 760 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop