One Night Lover
華乃は健に少し乱暴に扱われながら
このままめちゃくちゃにして欲しいと思った。

健を受け入れ、健のリズムで動くと
どんどん身体が熱くなった。

アパートの壁は薄く、
華乃が大きな声が出そうなのを堪えながら
喘ぐ様を見て健はさらに興奮した。

「華乃…いい?」

「うん…もっと…めちゃくちゃにして…」

健はその言葉に高揚し、執拗に華乃のその場所を責めると華乃は思わず大きな声を出し、身体を震わせた。

健はその口を抑えながら華乃の上で更に動いた。

華乃は自分でも知らないうちに藤ヶ瀬を思いながら想像の世界に浸っていた。

2人の汗ばんだ身体がぶつかり合う音と
唇を重ね、舌を絡める音でそれをリアルに感じる。

目の前の男は健だけど、華乃が今、抱かれているのは藤ヶ瀬だった。

「華乃…逝くよ。」

健の動きが速くなり、
華乃の中で果てると華乃は現実に戻された。

目の前の健は華乃の胸や唇にキスをして余韻に浸っている。

そして満たされてる華乃を見つめて

「愛してる。」

と言った。

「私も愛してる。」

華乃は健にそう言ったが
本当は自分に言い聞かせる為でもある。

愛するべきなのは健で藤ヶ瀬ではない。

華乃は健に抱きしめられてその現実を受け入れる。

「今日の華乃…すごく良かった。

華乃がこんなにいやらしい女だって初めて知った。」

「それ、褒めてないよ。」

「俺は今日みたいなエッチな華乃のが好きだけどな。」

華乃は自分でも気がついていた。

今日の健とのsexは悪くなかった。

こんな風にずっと強引に愛されたかった。

5年前のあの時、藤ヶ瀬にされたように衝動的に交り、ただ乱暴に扱われたかった。








< 20 / 110 >

この作品をシェア

pagetop