One Night Lover
終わった後、渉とベッドの中で何時間も昔話をした。

シャワーも浴びず、ただ色んな話をして笑った。

時々沈黙すると、渉が華乃にキスをした。

「なんか先輩といるとホッコリする。

こんなに気持ちが落ち着いたのは久しぶりかな。」

「華乃…ホントは後悔してる？」

「ううん、先輩は最高だもの。

だって５年間もずっと好きだったんだよ。」

渉は華乃を抱きしめて

「俺にしたら？もう２回も寝ちゃったろ？」

ともう一度言った。

「そうしようかな。もう２回も寝ちゃったしね。」

華乃の返事はどこか曖昧で
渉はそれ以上何も言えなかった。

「ま、いつでもウェルカムですから。」

そう言って言葉を濁した。

華乃はそれから渉と何度も寝た。

渉との情事は華乃の寂しい心を埋めてくれたし、
何より相性が良かった。

それでも付き合ってるというワケじゃない。

デートしたりはしないし、
気が向いたらお互いの部屋を訪ねてsexするだけだ。

それ以外は普通に兄と妹みたいな関係を続けてる。

それが二人にとって一番居心地が良かった。

健はあの日、華乃の部屋で喧嘩したまま全く連絡を取らなくなった。

会社で会ってもお互いの存在に気付かないフリをした。

そんな二人を見た竜は華乃が健とうまくいってないのではないかと思った。





< 29 / 110 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop